探偵ブログ2022.04.04

探偵業の業務の適正化に関する法律に基づく指示及び営業停止命令の基準

探偵業の業務の適正化に関する法律に基づく指示及び営業停止命令の基準

第1章 総則

(趣旨)

第1条 この基準は、探偵業者又は探偵業者の業務に従事する者(以下「探偵業従事者」という。)が
行った法令違反行為等に対し都道府県公安委員会(以下「公安委員会」という。)が指示又は営業停止命令を行うための要件等について必要な事項を定めるものとする。

(用語の意義)

第2条 この基準において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定 めるところによる。

(1) 指示 探偵業の業務の適正化に関する法律(平成18年法律第60号。以下「法」 『という。)
第14条の規定に基づき、探偵業者に対し、必要な措置をとるべきことを指示することをいう。

(2) 営業停止命令 法第15条第1項の規定に基づき、探偵業者に対し、探偵業の全 部又は一部の停止を命ずることをいう。

(3) 法令違反行為法の規定に違反する行為又は探偵業務に関して行われた他の法令の規定に違反する行為をいう。

(4) 法令違反行為等法令違反行為又は指示に違反する行為をいう。

(5) 指示対象行為 指示の理由とした法令違反行為をいう。

(6) 営業停止命令対象行為、営業停止命令の理由とした法令違反行為等をいう。

(7) 営業停止期間 営業停止命令において探偵業者が営業を停止しなければならな いこととする期間をいう。

(法令違反行為等の分類)

第3条 法令違反行為等は、その軽重に応じ、別表第1及び第2に定めるとおり、A、B、C、D、E、F、O及び I に分類するものとする。

第2章 指示

(指示を行うべき場合)

第4条 次の各号のいずれかに該当するときは、指示を行うものとする。

(1) 探偵業者が重大な法令違反行為としてA、B、C、D、E、F又は0に分類 れるものを行ったとき。

(2) 探偵業者がその探偵業従事者に対し指導及び監督その他その探偵業従事者にる法令違反行為を
防止するために必要な措置を尽くしていなかったことにより その探偵業従事者が重大な法令違反行為としてA、B、C、D、E、F又は0に 分類されるものを行ったとき。

(3) 探偵業者又はその探偵業従事者が法令違反行為を行った場合であって、次のいずれかに掲げるとき。

イ 探偵業者又はその探偵業従事者が当該法令違反行為を行った日前5年以内に当該探偵業者が営業停止命令又は指示を受けたことがあるとき。

口 探偵業者又はその探偵業従事者が当該法令違反行為を行った日前3年以内に、当該探偵業者が法令違反行為等を行ったこと又は当該探偵業者の探偵業従事者
(当該法令違反行為を行った探偵業従事者以外の探偵業従事者を含む。)若しくは探偵業従事者であった者が当該探偵業者の業務に関して法令違反行為を行ったことがあるとき。

ハ イスはロに掲げるもののほか、当該法令違反行為の原因となった事由が解消されていないとき、
当該法令違反行為により生じた違法状態が残存していると き、その他探偵業の業務の適正な運営が害されるおそれがあると認められるとき。

第5条探偵業者又はその探偵業従事者が行った罰則の適用のある法令違反行為につ いて法令の規定により公訴を提起することができないこととされているときは、
前 条の規定にかかわらず、当該法令違反行為については、指示を行わないものとする。
ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。

(1) 当該法令違反行為が極めて重大な法令違反行為としてA、B、C、D又はEに分類されるものであるとき。

(2) 探偵業者若しくはその探偵業従事者により当該法令違反行為と同種若しくは類似の法令違反行為が繰り返し行われ、
又は探偵業者の多数の探偵業従事者によって当該法令違反行為と同種若しくは類似の法令違反行為が行われているとき。

(営業停止命令との関係)

第6条 探偵業者又はその探偵業従事者が行った法令違反行為について次章の規定により営業停止命令をする場合であっても、
当該法令違反行為についてこの章の規定 により必要な指示を併せて行うことを妨げない。この間にある

(指示の個数)

第7条 1個の法令違反行為に対しては、1個の指示を行うものとする。ただし、2 個以上の法令違反行為に対して1個の指示を行うこと、
及び1個の指示において2 個以上の事項を指示することを妨げない。

(指示の内容)

第8条 指示においては、次の各号に掲げる措置をとるべきことを指示するものとする。

(1) 指示対象行為の原因となった事由を解消するための措置その他の指示対象行為 と同種
又は類似の法令違反行為が将来において行われることを防止するための措置

(2) 指示対象行為により生じた違法状態が残存しているときは、当該違法状態を解消するための措置
(当該指示対象行為が探偵業者に一定の行為を行うことを義務付ける法の規定に違反したものであるときは、
当該一定の行為を行うことに代替する措置を含む。)

(3) 指示対象行為を行った探偵業従事者を引き続き探偵業者の業務に従事させることにより探偵業の業務の適正な運営が害されるおそれがあると認められるし。
冬に従事させな公安委員会が定める一定の期間当該探偵業従事者を探偵業者の業務に従事さい措置

(4) 前各号に掲げるもののほか、探偵業の業務の適正な運営を確保するために)必要なな措置
(5) 前各号に規定する措置が確実にとられたか否かを確認する必要があるときは、当該措置の実施状況について公安委員会に報告する措置

2 前項第1号、第2号又は第4号に規定する措置の内容は、具体的かつ実施可能ものであって、それぞれ指示対象行為と同種又は類似の法令違反行為が将来において行われることを防止し、
指示対象行為により生じた違法状態を解消し、又は探偵業の業務の適正な運営を確保するために必要な最小限のものとしなければならない。

3 第1項各号に規定する措置については、指示対象行為の態様、指示対象行為により生じた違法状態の残存の程度等を勘案し、期限を付すことができる。

第3章 営業停止命令

(営業停止命令を行うべき場合)

第9条 探偵業者が指示に違反したときは、営業停止命令を行うものとする。

2 次の各号のいずれかに該当するときは、営業停止命令を行うものとする。

(1) 探偵業者が極めて重大な法令違反行為としてA、B、C、D又はEに分類され るものを行ったとき。

(2) 探偵業者がその探偵業従事者に対する指導及び監督その他探偵業従事者による法令違反行為を防止するために必要な措置を尽くしていなかったことにより、
そ の探偵業従事者が極めて重大な法令違反行為としてA、B、C、D又はEに分類されるものを行ったとき。

(3) 探偵業者が法令違反行為(Iに分類されるものを除く。)を行った場合又は探植芝者がその探偵業従事者に対する指導及び監督
その他その探偵業従事者が法令 違反行為を行うことを防止するために必要な措置を尽くしていなかったことにより、
その探偵業従事者が法令違反行為(Iに分類されるものを除く。)を行った 場合であって、次のいずれかに掲げるとき。

イ探偵業者若しくはその探偵業従事者により当該法令違反行為と同種若しくは類似の法令違反行為が繰り返し行われ、
又は探偵業者の多数の探偵業従事者によって当該法令違反行為と同種若しくは類似の法令違反行為が行われているとき
(当該法令違反行為がF又は0に分類される罰則の適用のある法令違反行為であって、当該法令違反行為について法令の規定により公訴を提起することが1 できないこととされているときを除く。)。

口 探偵業者又はその探偵業従事者が当該法令違反行為を行った日前5年以内に当該探偵業者が営業停止命令を受けたことがあるとき。

ハ 探偵業者又はその探偵業従事者が当該法令違反行為を行った日前3年以内に当該探偵業者が指示を受けたことがあるとき。

ニ 探偵業者又はその探偵業従事者が当該法令違反行為に関する証拠を隠滅し、 偽造し、又は変造しようとしたとき。

ホ イからニまでに掲げるもののほか、探偵業者が引き続き探偵業を行った場合に著しく不適正な探偵業の業務の運営が行われる蓋然性があると認めるとき、
その他探偵業の業務の適正な運営が著しく害されるおそれがあると認められるとき。

(営業停止命令の個数)

第10条 1個の法令違反行為等については、1個の営業停止命令を行うものとする。

(基準期間等)

第11条 営業停止期間に係る基準期間、短期及び長期(以下それぞれ「基準期間」、「短期」及び「長期」という。)は、
次の各号に掲げる法令違反行為等の分類に応じ、それぞれ当該各号に定めるとおりとする。

(1) A 基準期間、短期、長期とも6月とする。
(2) B 基準期間は4月、短期は2月、長期は6月とする。
(3) C 基準期間は2月、短期は1月、長期は4月とする。
(4) D 基準期間は1月、短期は14日、長期は2月とする。制 限時間
(5) E 基準期間は14日、短期は7日、長期は1月とする。
(6) F 基準期間は7日、短期は3日、長期は14日とする。
(7) O 基準期間は7日、短期は3日、長期は2月とする。

※(観念的競合)

第12条 探偵業者若しくはその探偵業従事者が行った1個の行為が2個以上の法令違反行為等に該当するものである場合
又は探偵業者若しくはその探偵業従事者が行った法令違反行為等に該当する行為の手段
若しくは結果である行為が他の法令違反行為等に該当するものである場合において営業停止命令を行うときは、第10条の規定 にかかわらず、1個の営業停止命令を行うものとする。

2 前項に規定するときは、前条の規定にかかわらず、各法令違反行為等について前 条の規定により定められた基準期間、短期及び長期のうち最も長いものをそれぞれ基準期間、短期及び長期とする。

(営業停止命令の併合)

第13条 法令違反行為等に該当する行為が2個以上行われた場合において営業停止命 令を行うときは、第10条の規定にかかわらず、1個の営業停止命令を行うものとする。

2 前項に規定するときは、第11条の規定にかかわらず、各法令違反行為等について同条の規定により定められた基準期間のうち
最も長いもの(その最も長いものが1月である場合にあっては、30日)にその2分の1の期間を加算した期間(その期間 に1日に満たない端数があるときにあっては、これを切り捨てるものとする。)
基準期間とし、各法令違反行為等について同条の規定により定められた短期のうち 最も長いものを短期とし、
各法令違反行為等について同条の規定により定められた長期のうち最も長いもの(その最も長いものが1月である場合にあっては、30日) に
その2分の1の期間を加算した期間(その期間に1日に満たない端数があるとき にあっては、これを切り捨てるものとする。)を長期とする。
ただし、その基準期 間及び長期は、それぞれ各法令違反行為等について同条の規定により定められた基準期間又は長期を合計した期間及び6月を超えることはできない。

(常習違反加重)

第14条 探偵業者が営業停止命令を受けた日から5年以内に当該探偵業者又はその探 偵業従事者が法令違反行為等(極めて重大な法令違反行為等としてA、B、C、D
又はEに分類されるものに限る。)を行った場合において営業停止命令を行うときは、第11条の規定にかかわらず、
当該法令違反行為等について同条の規定により定 められた基準期間、短期及び長期にそれぞれ2を乗じた期間を基準期間、短期及び長期とする。
ただし、その基準期間、短期及び長期は、6月を超えることはできない。

(営業停止期間の決定)

第15条探偵業者に次項又は第3項に規定する事由がないときは、第11条から前条ま での規定により定められた基準期間を営業停止期間とする。

2 次の各号のいずれかに該当する事由があるときは、第11条から前条までの規定により定められた短期を下回らない範囲内において、
基準期間より短い期間を営業停 止期間とすることができる。

(1) 営業停止命令対象行為により生じた探偵業務の依頼者その他の者(以下「依頼 者等」という。)の被害が極めて軽微であること。

(2) 探偵業者又はその探偵業従事者が営業停止命令対象行為を行った日前10年以内に当該探偵業者が営業停止命令又は指示を受けたことがないこと。

(3) 探偵業者又はその探偵業従事者が営業停止命令対象行為を行った日前5年以内に、当該探偵業者が法令違反行為等を行ったこと
及び当該探偵業者の探偵業従事者(当該営業停止命令対象行為である法令違反行為を行った探偵業従事者) 探偵業従事者を含む。)
又は探偵業従事者であった者が当該探偵業者の業信業者の業務に関 して法令違反行為を行ったことがないこと。

(4) 探偵業者又はその探偵業従事者が暴行又は脅迫を受けて営業停止命令対象にを行ったこと。

(5) 営業停止命令対象行為をその探偵業従事者が行うことを防止できなかったこれ について、探偵業者の過失が極めて軽微であると認められること。

(6) 探偵業者が営業停止命令対象行為と同種又は類似の法令違反行為等が将来において行われることを
防止するための措置や営業停止命令対象行為により生じた違 法状態又は依頼者等の被害を解消し、
又は回復するための措置を自主的にとっており、かつ、改悛の情が著しいこと。

3 次の各号のいずれかに該当する事由があるときは、第11条から前条までの規定により定められた長期を超えない範囲内において、基準期間より長い期間を営業停止期間とすることができる。

(1) 探偵業者の探偵業従事者のうち多数の者が営業停止命令対象行為に関与するなど、営業停止命令対象行為の態様が極めて悪質であること。

(2) 法令又は指示に違反した程度が著しく大きいこと。

(3) 営業停止命令対象行為により生じた依頼者等の被害が甚大であること。

(4) 探偵業者又はその探偵業従事者が営業停止命令対象行為を行った日前5年以内に当該探偵業者が、当該探偵業者
又はその探偵業従事者(当該営業停止命令対象行為である法令違反行為を行った探偵業従事者以外の探偵業従事者を含む。)
若しくは探偵業従事者であった者が行った当該営業停止命令対象行為と同種又は類似の法令違反行為等を理由として、営業停止命令又は指示を受けたことがあること。

(5) 営業停止命令対象行為をその探偵業従事者が行うことを防止できなかったことについて、探偵業者の過失が極めて重大であると認められること。

(6) 探偵業者又はその探偵業従事者が営業停止命令対象行為に関する証拠を隠滅し、偽造し、又は変造しようとするなど情状が特に重いこと。

(7) 探偵業者に改役の情が見られないこと。

附則
この基準は、平成年月日から施行する。

別添

警備業法及び探偵業の業務の適正化に関する法律に基づく行政処分の公表基準

1公表の対象となる行政処分

公表の対象となる行政処分(以下「公表対象処分」という。)は、次に掲げる行政処 分とする。
ただし、指示については、当該被処分者が過去3年以内に指示を受け、又 は過去5年以内にその他の処分を受けた場合に限る。

(1)警備業法(昭和47年法律第117号)

ア認定の取消し(第8条)
イ指示(第48条)
ウ 営業停止命令(第49条第1項)
工営業廃止命令(同条第2項)

(2) 探偵業の業務の適正化に関する法律(平成18年法律第60号)
ア指示(第14条)
イ 営業停止命令(第15条第1項)
ウ営業廃止命令(同条第2項)

2 公表の内容
公表は、次に掲げる事項について行う。

(1)認定証番号又は届出証明書番号
(2)被処分者の氏名(法人にあっては、その名称及び代表者の氏名)及び主たる営業所の所在地
(3)当該処分に係る営業所等の名称及び所在地

(4)処分内容
(5)処分年月日
(6) 処分理由及び根拠法令

3 公表を行う都道府県公安委員会及び公表の方法

(1)公表は、公表対象処分を行った都道府県公安委員会(以下「公安委員会」という。) が行うこととするが、
被処分者の主たる営業所の所在地を管轄する公安委員会以外 の公安委員会が営業停止命令を行った場合には、
営業停止命令を行った公安岑員会 に加えて、当該業者の主たる営業所の所在地を管轄する公安委員会も公表を行うこととする。

(2)公表対象処分を行った場合は、次の方法により公表を行う。
ア都道府県警察の警察本部への別記様式の備付け
イ都道府県公安委員会又は都道府県警察のホームページへの別記様式の内容の掲載

(3)公表対象処分を行った公安委員会は、他に公表を行う公安委員会がある場合には、
当該公安委員会に対し、別記様式の写しを送付するものとし、写しの送付を受けた 公安委員会は、当該写しについて(2)の方法により公表を行う。

4 公表の期間
公表の期間は、当該処分が行われた日から起算して3年間とする。

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