社長ブログ2022.04.10

【探偵が解説】プライバシー侵害の賠償額

【探偵が解説】プライバシー侵害の賠償額

一部の著名人を除き、一般人の相場の賠償額は 10 万~20 万

本人の了承がなければ、原則として「肖像権侵害」だが…….

ケース1

撮影後に写真を加工して顔を隠す
親の了解を得ずに子どもの写真を撮る
写真は撮影したが、公開せず保管しておく
公道で道行く人を撮影する
 ↓
 ×
特定の人物だと認識できる写真の場合、本人の了承なく撮影した時点で肖像権侵害となる
一般人の肖像権侵害の賠償額は数十万円と少額。
裁判にはほとんど見合わない。肖像で儲けている
著名人ならば「パブリシティ権侵害」などで演額が加算される場合がある

ケース2

防犯のために出入り口を監視カメラで撮影する
 ↓
 △
私的な撮影はいずれも肖像権侵害。ただし街頭カメラなど公共の福祉に有効だと認められれば適法とされる
(最高裁「あいりん地区街頭カメラ訴訟」1998年11月)

人物が無断撮影される。このとき問題になるのが「肖像権」だ。
この権利で、写され る人物は「みだりに容姿を撮影される」のを拒否できる。公道でのデモを警察に撮影 されそれを権利侵害と訴えた
「京都府学連デモ事件」の最高裁判決(1969 年 12 月 24 日)で初めて認められた権利だ。

“肖像権保護法”があるわけではないが、判例によ ってプライバシーの基本的な権利として保護されてきた。
その後、高速道路での監視装置で車や運転手が撮影された事例や、大阪のあいりん地 区に設置された街頭カメラの事例で、
無断撮影があっても「公共の福祉に適う」と認 められれば制限を受けるとの判例が出されてきた。

しかし基本的には、肖像権は場所 を問わず配慮されるべきもの。
つまり公共の場にいる人物であっても、無断撮影はで きないのだ。撮影者から見て、肖像権を侵害しないために必要なことは何か。

顔が写 り込まないようにするか、相手に撮影の同意を取るかだ。
もし写ったのが顔以外なら、 特殊な髪形や服装でなければ、人物を特定できないため肖像権侵害の立証は難しい。

よくある誤解が、「写真を公開しないなら無断撮影できる」との考えだ。
しかし人物を 特定できるように写してしまえば、撮影の時点で肖像権侵害。
また撮影時や後で「写 真を加工するから大丈夫」との誤解もあるが、これも同様に侵害となる。

撮影者としての心得を教える写真学校などでは、相手の了解を得たとき以外は撮影し ないよう指導する。
また公表については撮影と切り分け、公表の都度確認するよう教 育する。

全員の同意を取るのは難しいが、公表する以上は、本人が不同意であれば消 像権侵害となる事実を覚悟すべきだ。
逆に無断で撮られた側の立場ならどうか。

損害賠償額は 10 万~20 万円程度とする判 例が多い。俳優が写真をばらまかれた例で 20 万円、作家の妻が盗撮され写真が公表さ れた例で 110 万円だ。
後者は、撮られる危険性を認識できない密室に近いところで撮 影されたため金額が上がった。
現状では、肖像権の権利侵害だけだと 100 万円を超える賠償は期待できない。5万円 の賠償金を取るのに弁護士費用 20 万円ということもある。

こうした費用対効果を説明 すると、訴えるのを諦める人も少なくない。弁護士会や行政機関が権利主張の支援を していく仕組みが必要だろう。
グーグル社の地図サービス「ストリートビュー」などは、まさに支援をすべき事案だ。

公務省の研究会は問題がほとんどないとの認識を示したが、不適切だと思う。
顔が写 れば肖像権侵害、生活の安全や住環境を脅かされればプライバシー侵害となる。
抗議 の声を上げた地方の行政や議会、弁護士会は正しい。かくも日本ではプライバシーが “安い”のかと暗澹たる思いだ。

判例 プライバシー侵害 ビデオ撮影による探偵の調査

探偵業者の調査対象となった京都市内の女性(40)が、マンションの自室近くの自室近くの通路に
ビデオカメラを設置され次撮されたなどとして、この業者(同市中京区)に慰謝料など、計523万円の支払いを求めた訴訟の判決が25日までに、京都地裁であった。

中村隆次裁判官は「女性のプライバシーが侵害されたことは明らか」として、探偵業者 50万円の支払いを命じた。
業者側は「控訴も視野に対応を検討する」としている。

探偵業者相手の訴訟に詳しい「興信所・探偵問題研究会」の河原林昌樹弁護士(大阪弁 士会)は
「探偵業者を調査対象者が訴える例自体が少ないが、盗撮によるプライバシーは 害を認めた判決は、初めてだと思う。
業界への警鐘になるだろう」と話している。

判決によると、探偵業者は03年1月に3日間、女性の部屋があるマンション2階の配雷 盤の上に、ビデオカメラを設置。
女性宅に出入りする人や女性の容ぼうを無断で撮影した。

女性はこのことを知ってマンションに住み続けることが怖くなり、引っ越すほどの精神的 苦痛を受けた。
女性の代理人弁護士は「盗撮の認定は評価できる」と指摘。
一方、同市内の別の探偵業者 は「例えば路上で盗撮した場合はどうかなど、プライバシー侵害の基準は不明だが、賠償を 命じる判決が出たことで、
さまざまな面で今後の調査活動に影響が出てくるだろう」と話し ている。

「通信の秘密」 夫の携帯メールをこっそりチェックするのは合法か

訴訟証拠としては有効!服役覚悟で情報入手するか

夫の携帯をこっそりチェック→プライバシーの侵害になる

プラス 状況次第で複数の刑事罪が加算されることも!

1 行動監視ツールを勝手にインストール→不正指令電磁的記録の作成罪などになる

2 内容を第三者に公開した→ 名誉毀損になる

3 セキュリティ・ロックを外した →通信回路経由だと不正アクセス罪になる、携帯を直接操作すると不正アクセス罪にならない

しかし

違法に入手した情報でも民事裁判では証拠になる!

訴訟証拠としては有効! 服役覚悟で情報入手するか

夫婦であっても、お互いに独立した個人ですし、相手は自分の所有物ではありません。
互いに家庭外の生活や秘密事項があって当然ですし、携帯電話の行動履歴や通信履歴 は個人のプライバシーの一部です。

したがって、妻が夫の同意なしに携帯メールをチェックした場合、プライバシー侵 害として損害賠償の原因となることがあります。
これはケースにもよりますが、夫婦 であろうが他人同士であろうが原則的には同じです。

ももちろん、最近話題の行動監視ツール「カレログ」などを夫の携帯電話やスマート フォンにこっそりインストールして利用するのも違法になります。
がその行動監視結果を不用意に第三者に公表した場合には、名誉毀損が成立し、損害 賠償や処罰の対象となることもあるでしょう。

行動監視ツールは、

(1) 本人の同意がなければ物理的にインストール不可能な仕様になっており、かつ、
(2) 現に本人の同意があるのでない限り、違法なスパイウェアの一種として扱われます。

そして、刑法上では、不正指令電磁的記録の作成罪、提供罪、供用罪、取得罪、保 管罪(刑法 168 条の 2、168 条の 3) として処罰されることがあります。

さらに、行動監視ツールがクラウド型のときは、サービスを提供しているプロバイ グについて電気通信事業法違反(通信の秘密を侵害する罪)が成立することがあります。
例外として、一方の配偶者が認知症等の病気になり、他方の配偶者がその後 なっている場合があります。

後見人は本人の代わりに行動できますし、本人は本当 同意をすることができないので、このような場合には同意なしにインストール することができます。
携帯電話にセキュリティ・ロックがされている場合はどうでしょうか。

まず、通信回線を通して密かにロックを解除し、監視ツールをインストールした場 合には、不正アクセス罪が成立することがありえます。
ただし、これは通信回線を通 した場合のみ。奇妙なようですが、モバイルを直接操作した場合には、不正アクセス 罪にはなりません。

■不倫が発覚したらどうなるのか

一般に、行動監視が警察などによって令状なしに実行された場合、その監視結果と してのデータは違法収集証拠として刑事手続き上の証拠能力が認められない場合があ ります。
これに対し、民事の訴訟では、原則として、どのような証拠でも証拠能力が 肯定されます。

そのため、もし不倫などが発覚して離婚訴訟になった場合、離婚訴訟は民事の訴訟 ですので、
同意なしに収集された行動監視結果のデータも「不貞行為」を証明するた めの証拠として用いることができます。

この問題について過去の裁判の中で直接に判断を示したものはありません。
しかし、 一般に、興信所によって作成された調査報告書、こっそり録音した録音テープなどは、 離婚訴訟等において証拠として認められてきました。

おそらく、電子的なツールによ る行動監視結果データも同じ扱いになるものと思われます。
ただし、ここには思わぬ落とし穴があります。

違法な証拠を用いて民事訴訟で勝訴しても、罪が消えるわけではないので、起訴さ れれば有罪となり服役することになるのです。
これは、調査依頼を受けた興信所や探偵社なども同様です。

例えば、不正アクセスにより証拠を入手したような場合には不正アクセス罪として 別途処罰されることになります。
他人の家に勝手に入り込んで持ち出した書類等も民 事訴訟では証拠になりますが、
その場合にも勝訴しても住居侵入罪で服役しなければ ならないという奇妙な関係が成立することになります。

つまり、あなたが離婚裁判でなにがなんでも勝訴したければ服役覚悟で配偶者の携帯メールをこっそりチェックして、違法の証拠を提出するということになりますね。

少しだけ、弊社の紹介をさせてください。

ガルエージェンシーは探偵業界で最大の組織です。
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