探偵ブログ2022.03.30

「探偵業の業務の適正化に関する法律」の概要

「探偵業の業務の適正化に関する法律」の概要

施行の背景

探偵社、興信所等の調査業については、調査依頼者との間における契約内容等をめぐるト ラブルの増加、
違法な手段による調査、調査対象者等の秘密を利用した恐喝等、従業者によ る犯罪の発生等の悪質な業者による不適正な営業活動が後を絶たない。
これまで、日本には、 調査業を規制する法律はなかったが、このような状況にかんがみ立法化が検討された結果、
調査の依頼者、調査対象者の権利利益を保護するため、
調査業のうち探偵業について平成18年6月「探偵業の業務の適正化に関する法律」(以下「法」という。)が制定され、平成19年6月1日から施行となった。

施行の目的(法第1条)

探偵業について必要な規制を定めることにより、その業務の運営の適正を図り、もって個 人の権利利益の保護に資することを目的としている。

探偵業の定義(法第2条)

探偵業務とは
•他人の依頼を受け 特定人の所在又は行動について情報を収集することを目的として
•面接による聞込み、尾行、張込み等により実地調査を行い
•その調査の結果を当該依頼者に報告する
業務を指す。

(便利屋等と称しても、探偵業務と同様な業務を行う業者は届出が必要。)

探偵業とは

探偵業務を行う営業のこと。ただし、

•学術的調査活動のように調査活動に何らかの分析評価を加えることが前提とされるもの
•弁護士活動
•税理士活動
•専ら報道機関の依頼を受けて、報道の用に供する目的で探偵業務を行う業者
以上は法の適用除外となり、届出の必要はない。

探偵業者とは

公安委員会に届出をして、探偵業を営む法人•個人のことを指す。
公安委員会への届出義務等(届出要領)

欠格事由(法第3条)

次の1〜6のいずれかに該当する者は、探偵業を営んではならない。

•成年被後見人、被保佐人又は破産者で復権を得ない者
•禁錮以上の刑に処せられ、又は探偵業法の規定に違反して罰金の刑に処せられ、その執 行を終わり、
又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者
•最近5年間に探偵業法に基づく営業の停止又は廃止の規定による処分に違反した者 」
•暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
•営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者でその法定代理人が、上記1〜4ま でのいずれかに該当するもの
•法人でその役員のうちに上記1〜4までのいずれかに該当する者があるもの

届出義務(法第4条)

探偵業を営もうとする者は、営業を開始しようとする前日までに営業所ごとに、
営業所所在地を管轄する警察署長(事務取扱:生活安全(第一)課)を経由して公安委員会へ届出書を提出しなければならない。
届出書には、内閣府令で定める添付書類が必要である。
また、その営業を廃止又は変更した場合も同様に届出が必要です(廃止、変更した日から10日以内に届出が必要)。

届出証明書の交付(法第4条)

営業開始又は変更の届出があったときは、公安委員会から届出者に対して、届出証明書を 交付する。
届出証明書は、探偵業を営むに際し、必要な届出をしたことを証する証に過ぎず、
営業の許可をしたという「許可証」とは、全く性質が異なる。この届出証明書は営業所の見 やすい場所に掲示しなければならない。

公安委員会からの届出証明書は、変更届出書の提出の際にもその都度交付し、
その度に証 明書番号が変わります(古い届出証明書は変更届出の際の添付書類として回収)。

探偵業者の義務

名義貸しの禁止(法第5条)

届出をした者は、自己の名義を他人に貸して探偵業を営ませてはならない。

探偵業務の実施の原則(法第6条)

他の法令において禁止又は制限されている行為が、できるものではないことに留意しなければならない。
人の生活の平穏を害する等個人の権利利益を侵害することがないようにしなければならない。
依頼者から「調査結果を犯罪、違法行為等に用いない。」旨を誓約した書面の交付を受ける義務(法第7条)

契約を締結しようとするときは、依頼者が署名した誓約書面を受理しなければならない。

契約締結前•後に、重要事項を説明する義務(法第8条)

依頼者と契約前、次の事項について書面を交付し説明する。

•探偵業者の商号、名称又は氏名及び住所(法人の場合は、代表者氏名も必要)
•届出証明書に記載されている事項
•探偵業務を行うに当たっては、個人情報保護法その他の法令を遵守する旨
•法第10条(秘密の保持等)に規定する事項
•提供することができる探偵業務の内容
•探偵業務の委託に関する事項(業務を他者に委託することが有るか否か、有れば、委託内容)
•依頼者が支払う金銭の概算額及び支払時期
•契約の解除に関する事項(契約解除についての定めが有るか否か、有れば、その方法.内容)
•業務上、作成•取得した資料の処分に関する事項(処分するのか否か、する場合は処分方法•時期)

依頼者と契約後、次の事項について書面を交付する。
•探偵業者の名称(氏名)及び住所(法人の場合は、代表者氏名も必要)
•契約締結を担当した者の氏名及び契約年月日
•調査の内容、期間及び方法
•調査の結果報告の方法及び期限
•前記枠内(契約前書面)6の事項に定めがあるときは、その内容
•依頼者が支払う金銭の額並びにその支払い時期及び方法
•前記枠内(契約前書面)8の事項に定めがあるときは、その内容
•前記枠内(契約前書面)9の事項に定めがあるときは、その内容

探偵業務の実施に関する規制(法第9条)

探偵業務に係る調査の結果が、犯罪行為、違法な差別的取扱い、非違事案に用いられること を知ったときは、当該探偵業務の禁止
探偵業務の探偵業者以外への委託禁止

秘密の保持等(法第10条)

正当な理由なく、業務上知り得た人の秘密の漏洩禁止(探偵業者の業務に従事するものでな くなった後においても同様)、
探偵業務に関しての文書、写真その他の資料について、不正 又は不当な利用を防止するための措置義務

教育(法第11条)

従業員等に対し、探偵業務を適正に実施させるため、必要な教育の実施義務

名簿の備付け等(法第12条)

営業所ごとに、使用人その他の従業員の名簿を備え、下記の必要な事項の記載義務(退職し た日から3年間保管義務)

必要な事項
氏名住所性別及び生年月日採用・退職年月日
従事させる業務内容写真(3年以内、無帽、正面、上三分身)

法第4条第3項書面を営業所の見やすい場所に提示する義務

(公安委員会の届出証明書)

契約を営業所で行う場合、依頼者は、届出業者か否かを掲示してある届出証明書で確認し、 違法業者かどうか判断することができる。

公安委員会の立入等

報告及び立入検査(法第13条)

公安委員会は、必要な限度において、探偵業者に対し、報告や資料の提出を求め、又は警察
職員に営業所に立ち入り、検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。

指示(法第14条)

公安委員会は、探偵業者がこの法律又は探偵業務に関し他の法令の規定に違反したとき等で、
適正な運営が害されていると認めたときは、必要な措置をとるべきことを指示できる。

営業の停止等(法第15条)

公安委員会は、探偵業者がこの法律又は探偵業務に関し他の法令の規定に違反した場合にお いて、
業務の適正な運営が害されると認められるとき、
又は指示に違反したときは、当該営 業所における探偵業務について、6月以内の期間を定めて、
その全部又は一部の停止を命ず ることができる。公安委員会は、法第3条(欠格事由)各号のいずれかに該当する者が探 偵業を営んでいるときは、
その者に対し、営業の廃止を命ずることができる。

罰則 対象

届出をしないで探偵業を営んだ者
6月以ドの懲役又は30万円以下の罰金
開始届出書・添付書類に虚偽の記載をして提出した者
変更•廃止の届出書•添付書類を提出しなかっを者
30万円以下の罰金
変更
•廃止の届出書•添付書類に虚偽の記載をし
30万円以下の罰金
て提出した者
名義貸しをした者
6月以下の懲役又は30万円以下の罰金
契約を締結しようとするときに、重要事項につい
て書面を交付しなかった者
契約を締結しようとするときに、必要事項を記載 しない書面又は虚偽の記載のある書面を交付した者
契約を締結したときに、契約内容を明らかにする
書面を交付しなかった者
契約を締結したときに、必要事項を記載しない書 面又は虚偽の記載のある書面を交付した者
従業者名簿を備え付けなかった者
従業者名簿に必要事項を記載せず、又は虚偽の記載をした者
公安委員会による報告•資料提出の求めに応じなかった者
報告•資料提出の求めに対し、虚偽の報告をし、
又は虚偽の資料を提出した者
公安委員会による立入検査を拒み、妨げ又は忌避した者
30万円以下の罰金
30万円以下の罰金
30万円以下の罰金
30万円以下の罰金

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